今年に入って
ひょんなきっかけで津軽三味線と
親しくなった
 

楽器を奏でてみたい
という欲求は
上手になりたい
にはなかなか繋がらない。


オルガン
エレクトーン
ピアノ
ピアニカ
縦笛
チューバ
木琴
ドラム
などなど。

音楽教室や学校の部活などで
触れてきたもの。
合奏するのが楽しかった。


大人になって
奏でてみた楽器は、

ウクレレ
ジェンベ(アフリカの打楽器)
アルパ(パラグアイのハープ)
カリンバ
三味線

ジェンベ以外、
ひとりでも楽しめそうなもの。


音に対する興味は
仏具のおりんにまで及んだ。


なぜなんだろう?
聴くだけで満足しないのは。
私はなんで
音を奏でたいんだろう??


そんな問いへの答えが
思いの外早く現れた。


市川方面にドライブしたとき、
夫が気になるお寺がある、と
連れて行ってくれた法華経寺の参道で、
津軽三味線の演奏会を知った。


お休みが合ったのと
足を向けやすい場所だったのが目を引き、
何より弘前大学のサークルの学生達の演奏を
生で聴いてみたい!
と思ったことで足を運ぶこととなった。


上野公園内にある、
旧奏楽堂。
モダンな外装の施設で、
演奏会が催された。


総勢50人にもなるサークルから
8名が奏者として参加。 
津軽じょんがら節にはじまり、
毎年制作されるオリジナル曲から
数曲が披露され、
更にはアルパとの共演もあった。


それぞれにマイクをもち、
弘前についても紹介しつつ
個々の自己紹介。
独奏では個性豊かなアレンジも
披露されていた。


決められた音を
美しく奏でることで
心を整えていた私には、
その個性の迸りが
とても印象的だった。  


上手くなくていい。
自分なりの音を
自分なりの方法で
奏でるのが楽器なんだ。


津軽三味線は
体に斜めに固定したポジションから
押さえつけるように弦を弾いて
弦と体を共鳴させるところに
魂の叫びのような躍動感を感じる
ソウルフルな楽器だと思う。


魂を
楽器に投影して
個を奏でる。


自身が楽器になるかのように。


私はコロナ禍で
飛沫を意識しないでよい楽器として
カリンバと知り合った。


携帯できる気軽さで
音の美しさに癒やされながら、
弾き方にも個性があるのだ
ということに気づいて愛おしくなった。


楽器とは、
伴侶のようなものなのだ。


歌いたくなると
ウクレレを引っ張り出す。


楽器から溢れた音が
自身を包み込み、
聴く人の耳に届くときは
その人に寄り添い
心を整えてくれる。


私の中から音が出るのではなく、
楽器の音が私に響くのだ。


心を空っぽにして
無心に奏でよう。


楽器の音に
私が宿るように。
  



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