立秋を迎えた夜。
連日の猛暑がまたやってきそうだが、
日没がまだ夏らしさを残してる。


車という部屋で
夜を移動する。
できそうでできなかったこと。
二人しかいない空間が
地球の自転を感じながら
街を一望できる所へ向かう。


車を走らせるとき
自分が大人になったのだと感じる。
一方で街を歩く人は
スマホに肩を丸めて退化したようにみえる。


夫には気分転換が必要で
私には骨休めが必要なので、
移動する部屋は
二人の必需品となった。
 

船堀駅の目の前にそびえ立つ、
船堀タワー。
正式にはタワーホール船堀というらしい。
この夏、2度目の搭乗。
真夏の昼と、立秋の夜。
どの時間も飽きずに東京の街を眺められる。


新川は、どっちかな。


千本桜が植わっているという
新川の遊歩道を目指す。
しばらく川上方面に歩くと、
赤い金魚ちょうちんが見えてきた。


江戸川区は、金魚の名産地。
金魚ちょうちんは、山口県柳井市の名産品。
青森のねぷたに着想を得て作られたものらしい。
金魚、まつり、ちょうちん。
今年の夏は、あちこちで少しずつ
祭りが戻ってきている。


生暖かい風が心地よい。
風に尾ひれをヒラヒラさせながら
泳ぐように揺れる、金魚ちょうちん。
川面が近く、
散歩する私達も泳いでいるような
心地よさを感じる散歩道だった。


泳ぐように
生きられたなら。
力まず
うまく浮力に変えて
日々を進んでいけたなら。


金魚ちょうちんを眺めていると
体の力が抜けてリラックスできる
ような気がしてくる。


帰り道、
ひっきりなしに聞こえたのは
救急車のサイレンの音。


今夜を境目に
夏も感染拡大も
トーンダウンすることを願うばかり。





via SLOW DOWN LIFE
Your own website,
Ameba Ownd